クラフトワーク.
僕にとって、クラフトワークの影響は、デカい。バカでかい。
クラフトワークのレコードを、始めて、手にしたのは、記憶に間違いがなければ、1977年か、1978年、ロンドンのレコード店で、手に取ったのが、最初だ。ただし、この記憶は、定かではない。別のアーティストの、別のレコードだったかも知れないが、記憶の中では、クラフトワークの、Trans-Euro Expressと、Man Machineだったという事になっている。
いずれにせよ、どちらのアルバムも、のちに購入し、どちらのアルバムも、お気に入りになった。
だが、僕の個人史の中で、本当に、忘れられないのは、クラフトワークの、4枚目のアルバム、「アウトバーン(Autobahn)」だ。それに続く、通算5枚目のアルバム、「Radio Activity(レディオ・アクティヴィティ)」も、友人のカセットテープで聴いた時から、ずっと、大好きなのだが、この、「アウトバーン」は、僕にとっては、ことさらに特別な、一枚だ。
このアルバムについては、やれ、テクノの元祖だとか、クラフトワークの名を世界に知らしめたアルバムだとか、あるいは、アアだとか、こうだとか、いろいろな事が言われているが、僕にとって、このアルバムは、純粋に、音楽的に、素晴らしいと思えるアルバムだ。特に、かつてのLPアルバムでは、「A面」の全部だった、タイトル曲「アウトバーン」。これまで、生きて来た中で、何十回、何百回聴いたか、わからない。今だって、その「アウトバーン」を聴きながら、このブログ記事を、書いている。この、23分もある曲には、何とも言えない魅力がある。僕にとっては、そうなのだ。
心が、苦しくて、苦しくて、どうしようもない時にも、この曲を聴くと、ホッとして、楽になった。
今から2年前に、7年ぶりに、日本に帰った時にも、この、「アウトバーン」ばかりを、繰り返し、繰り返し、聴いていた。それが、自分にとっての、祖国・日本と、何十年も住んで、慣れ親しんだ、アメリカ文化の間のギャップを、埋めてくれる様な気がした。
クラフトワークが、「テクノ」なのか、時代の先駆者なのか、あるいは、以前、言われていた様に、ジャーマン・プログレッシヴ・ミュージックの、代表的な、1グループなのか。そんな事は、僕にとっては、どうでもいい事だ。
高校生の時には、「クラフトワークが好きだ」と言うと、一緒にロック・ミュージックを演っていた、仲間達の数人からは、「心の通わない、冷たい電子音楽」などとも、言われた。ヒッピーの様な長髪で、愛だ、心だと歌うのが、まだ、正当・主流だった時代だ。
でも、僕は、クラフトワークが、好きだった。今でも、大好きだ。
その、クラフトワークの、数々の名曲の中でも、「アウトバーン」は、僕にとっては、忘れる事のない、一曲だ。ツラい時に、苦しい時に、どれだけ、力をもらったか、励まされたか、わからない。
同アルバムの、「アウトバーン」以外の曲も、みんな、大好きだ。
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