ピン・ポイント人間 = セイブン.

ピン・ポイント人間 = セイブン.

「あなたという人は、本当に、ピン・ポイント人間だネ……」ある時、ある人から、こんな事を言われた。だが、これは、まさに、ズバリ、その通りで、僕という人間は、これだ!と、心を動かされた事にだけフォーカスして、ずっと、生きて来ている。その、長所を言えば、フォーカスを定めた事への集中力。その、フォーカスの徹底の度合いは、ものすごい。では、その、短所は?と言えば、ズバリ、「木を見て、森を見ず」。イヤ、僕の場合、極めつけで、木の一本さえも、見てはいないだろうから、「葉っぱ一枚だけを見て、森を見ず」。これ位に言わないと、自分自身の事実を、表現できない。で、その結果、フォーカス外の世界の中の、様々な事が、何にも、わからない。例えば、スポーツ。こう書いただけで、この話題を終わらせたくなる位に、何の興味も、関心もない。野球、サッカー、オリンピック、フットボール、バスケットボールと、生まれ育った日本の生活でも、ここ20年ほどのアメリカ生活でも、人々がそれを話題にし、シーズンともなれば、大騒ぎし、熱狂・興奮しているのをヨソに、「アッシには、関わりのござんせん事で…..」と、幼い頃にテレビでやっていた時代劇の主人公・丹下左前のお決まりのセリフの如くに、ひとり、無知・無関心で、生きて来た。自身でたしなむのは、走る事と、泳ぐ事。それだけ。日本でもアメリカでもポピュラーな、集団スポーツ・球技なんて、ルールさえも知らず、覚える気もしない。

こういう人間は、世の中からすれば、変人であるに、違いない。

けれども、事実から言って、僕は、その様にしか、生きられない。その事を、気に病んで、何とか、一般的な生き方ができないかと、真剣に考えた事があったが、徒労に終わった。当たり前だ。どうすれば、一般的な生き方ができるか?などと、考えている事自体が、一般的な人々の、一般的な思考から、はるかに、かけ離れているのだ。一般的な生き方をしている人々は、そんな事は、全然、考えていない。その人々も、僕と同じ様に、「そうしか、生きられない」から、そう生きているだけであり、好きこのんで、そう生きている訳でも、何でもない。もし、生き方の自由がきく人が、意図して、一般的な生き方をしたとしたら、日本びいきの、日本語の上手な外国人が、さも典型的な日本人の如くに振る舞っている様な、何とも奇妙で、不自然な空気で、どこからどう見ても、完全に「非一般的な」雰囲気になるだろう。

ドイツの哲学者、フリードリッヒ・ニーチェが、こう言ったという。「どこに行っても、どこにいても、私は、葛藤を感じる」。これは、僕自身も、全く同じだ。

僕の生きている生き方は、僕自身にとって、魅力ある部分が、大いに、ある。これも、事実だ。自分の生きている生き方には、楽しいところ、喜びに満ちているところがあって、その部分は、人にも伝わって、魅力に映るから、うらやましがられたり、嫉妬されたり、憧れられたりする。多くの人には簡単にできる事が、僕には全然できない、その一方で、多くの人には簡単にできない事が、僕には簡単にできたりするから、少なくとも、その限りでは、才気あふれる人間の様にも見える。けれども、「イヤア、素晴らしい。あなたの様になれたら、どんなにいいだろう」などと、僕に言う人達は、僕が、その為に払っている代価を知らないし、そもそも、その代価などは、あるとも思っていない。

ビートルズで、誰もがうらやむ、ケタはずれの大成功をした、ジョン・レノンは、のちに、「誰もが青春を楽しむ時期に、オレはひたすら、働いていただけだった」と、一般的に、普通に生きる人をうらやみ、何とか穴埋めをしようと、音楽仲間と共に、毎日、大酒を飲み、ドンチャン騒ぎをして、何ヶ月もの間、過ごしたという。

僕は、ジョン・レノンの様に、音楽で大成功はしていないけれども、個人レベルで、音楽に明け暮れて、何十年もの年月を過ごしていた。それは、事実だ。そして、当然の事ながら、その間(かん)、同時進行で、世の中の人々が体験していた、ごく普通の楽しみや、喜びみたいなものもなかったし、だから、もちろん、その思い出も、心には、ただの1ページもない。当たり前だ。そんなものは、体験しなかったのだから、その思い出だって、ある訳がない。とにかく、音楽がすべてで、音楽の外にある世界で、人々がどう生きているのかなど、知らなかったし、音だけに、フォーカスのすべてを置いていたから、それ以外に関心を向ける、心の余地もなかった。

今、思い出せば、僕は、自分自身の事を、ミュージシャンとしてだけしか、考えられなかったのだ。

そこで、そんな自分を、音楽ビジネスの軌道に乗せて、その世界で収益を上げて、生計を立てる様な、そんな、したたかさがあったなら、その後の人生も、かなり変わっていただろうが、良くも悪くも、そういう頭は、全くなくて、ただ、純粋に、音そのものと向き合って、音楽を、追求していた。

実益的な事を、一切、考えずに、とりあえずの仕事をして、生計を立てながら、それ以外の、自由になる時間の全部を注いで、音そのもの、音楽そのものに、100パーセント、フォーカスし続ける。これも、僕が、ピン・ポイント人間だからこそ、出来た事だろう。

ちなみに、20年来のつき合いである、僕の妻も、僕と釣り合うだけあって、個人的な色の強い、独特な人だ。彼女は、日本人とイタリア人のハーフで、その事を、日本で、人に言うと、「マア、素敵ネエ。イタリア人ハーフの女性と結婚できるなんて」「道理で、奥さん、キレイな訳だヨ。いいよなア、お前は」などと、言われるのだが、僕からすれば、ただ単に、日本人女性と結婚できなかったから、その結果として、そういう選択になった….という感も、ある。

でも、彼女が、最初で最後の妻だと思う。ブルース・スプリングスティーンの歌のタイトルの通り、She’s The One(=この娘で決まりだ!僕自身の訳)だと思っている。

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