イエロー・マジック・オーケストラの事を、思い出す時に、よく、思うのは、バンド名が、パンクっぽくて、カッコいいな…..という事だ。そもそもからして、「イエロー(Yellow)」というのは、日本人を含む、いわゆる、黄色(おうしょく)人種に対する、侮蔑用語だ。細野晴臣が、その事を、知らない訳がない。完全に、承知の上で、確信犯で、その事実を、逆手にとって、わざわざ、「イエロー」を、バンド名に使って、奇怪で、不気味な雰囲気を、つくり出す。その、命名センスが、シビレる。
僕が仕事をしている、カリフォルニア大学附属病院のメンタル・ヘルス・ユニットで、ある日、精神療法士による、「あなたのお気に入りの音楽を、みんなで聴こう」という様な時間が、持たれていた。そうして、ユニットの患者達が、ひとりひとり、リクエストをして、それに応えて、Youtubeでかけ、みんなで聴いている内に、ひとりの患者が、「私、マーティン・デニーが好き。マーティン・デニーの曲をかけて!」と、言った。それで、療法士が、その、マーティン・デニーを、かけた。
マーティン・デニー?どうも、どこかで聞いた様な名前だなア….と思いながら、その、彼の音楽を、アルバム単位で、一緒に聴いていたら、次々と、同アルバムの曲が始まり、流れて、終わり、やがて、ある曲が始まった時、「アア、そうか!」と、いっぺんに、わかった。その曲とは、イエロー・マジック・オーケストラがカヴァーした、「ファイアー・クラッカー」だった。この曲も含めて、マーティン・デニーの、同アルバムには、“白人が、心の中で勝手に理想化した、永遠のパラダイス・東洋”みたいな曲ばかりが収められていて、「そうか、細野晴臣は、イエロー・マジック・オーケストラの構想を、こんな感じで、インスパイアされて、思い描いていたんだなア…..」と思い、同バンドの結成の、知られざる秘密を教えられた気持ちになった。
僕にとっては、イエロー・マジック・オーケストラは、やっぱり、細野晴臣だ。同バンド独特の、あの、怪しい雰囲気、異様な空気は、あとのふたりからは、出て来ない。あれは、細野晴臣の色だ。
そして、その色は、“イエロー”。
などと、わかった様な、わからない様な事をほざき、そこに意味があるのか、ないのか、あるなら、一体、どういう意味なのかは、読んでいる人に任せて、僕自身は、さっさと、終わる事にしよう。
イヤ、その前に、イエロー・マジック・オーケストラの全レパートリーの中で、僕が、一番好きな曲のリンクを、最後に紹介して、終わろう。他の曲などは、今さら、聴く気にもならないが、この曲だけは、今も、名曲だと思う。
https://m.youtube.com/watch?v=Tn3IwwjowjQ&pp=ygUIbWFzcyB5bW8%3D
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